仕事の繁忙期、学校のテスト期間…。疲れた身体でも、頑張らなければいけない時は、誰にもありますよね。そんな時に頼りになる、栄養ドリンク。飲むと気分がスッキリし、一瞬で疲れが取れてしまいます。
スーパーやコンビニなど、身近な場所で気軽に購入でき、種類も豊富。お値段もお手頃です。しかし、そんな身近な栄養ドリンクに、思わぬ危険が潜んでいることをご存知でしたか?
多量に含まれる糖分や合成着色料…。こうした物質の危険性はメディアでも指摘されています。
ですが、さらに恐ろしい“脳への影響”をもたらす成分も、栄養ドリンクには含まれています。
もしも栄養ドリンクが寿命を縮め、突然死の原因を作るのだとしたら…。あなたはこれからも、飲むことができるでしょうか?
脳の血管を萎縮させる『無水カフェイン』
コーヒーを飲むと、眠気が醒めてスッキリしますよね。これはコーヒーに含まれる、カフェインの働きです。栄養ドリンクにも「無水カフェイン」という成分が含まれており、同じような効果を発揮します。
ですが、『コーヒーと同じだから安心』というわけではありません。カフェインには中毒性があり、飲み過ぎると依存症になってしまいます。
栄養ドリンクに含まれる「無水カフェイン」は、天然のカフェインよりも強いため、すぐに依存症になってしまいます。
それだけではありません。カフェインには、脳の血管を萎縮させる働きもあります。
栄養ドリンクで「眠気が覚める」「頭がスッキリする」というのも、脳に対する影響の一つです。血流量が抑えられるため、頭痛や発熱の症状を抑えこむ効果もあります。
この働きのため、「無水カフェイン」は頭痛薬や風邪薬など、総合感冒薬にも含まれています。健康な人が医薬品を飲んだら、副作用や悪影響が出ることは想像できますよね。まして日常的に摂取していたら、どうなるでしょうか?
栄養ドリンクを普段から飲むことは、『健康なのに風邪薬を毎日飲むようなもの』と言えるかもしれません。
実は含まれている、微量の『アルコール』
栄養ドリンクにアルコールが含まれている…という話もありますね。噂話ていどに広まっており、知っている方も多いかと思います。
ですがこの話、あなたは信じられるでしょうか?
『パッケージにはアルコール飲料と書いていないし、未成年でも購入できるのだから、アルコールなんて入ってないでしょ!』
と思えそうですよね。ところが、これは事実です。栄養ドリンクには、アルコールが入っています。
“また、生薬等の薬効成分抽出のためにエタノールを使用し、これに由来するアルコールが0.1~1%程度含まれる場合や気分昂揚のためにアルコールを使用している場合もある。
…(中略)…アメリカ食品医薬品局は2012年秋、モンスターエナジーおよび5-hour Energyの飲用者に、死者を含む健康被害が出た件について因果関係の調査を進めている。”
– wikipedia:栄養ドリンク
実は、日本の法律で『酒類(アルコール飲料)』と扱われるものは、“アルコール1%以上”のドリンクのみ。1%未満であれば、アルコールが入っていても、酒類としては扱われません(酒税法第二条第一項)。
栄養ドリンクのアルコール分は1%未満に抑えられているので、ソフトドリンク扱いになるんですね。
アルコールには、気分を奮い立たせ、一時的に疲れを忘れさせる効果があります。栄養ドリンクを飲んで、すぐに元気が出てくるのも、微量に含まれたアルコールの働きです。
微量とはいっても、含まれることに違いはありません。そのため、栄養ドリンクを一気に2本も3本も飲むと、酔っ払ったような状態になることもあります。
『飲酒していないのに、飲酒検問で引っかかってしまった』という体験談もありますが、これも栄養ドリンクの飲み過ぎが原因だと言われていますね。
栄養ドリンクで、疲れは本当に取れているのか?
多くの栄養ドリンクには、ビタミンやタウリンなど、疲れに効く成分が配合されています。それは事実でしょう。ですが、これらの成分で本当に、疲労は回復しているのでしょうか?
無水カフェインやアルコールの働きを考えると、『疲れを回復する』のと同時に、『脳を騙している』という側面もあるような気がします。
どれだけ身体が疲労していても、脳がその疲労感を認識しなければ、『疲れた』という症状を自覚できません。無水カフェインやアルコールの働きで脳をだまし、身体の“疲れた、休息が必要だ”というサインを無視してしまう…。それが栄養ドリンクの、本当の効果ではないでしょうか?そんな疑問も、ぬぐい去れません。
『栄養ドリンクを飲んで頑張った後、耐え難いほどの極度の疲労に襲われた』…こんな経験に、心当たりのある方も多いと思います。
もちろん、人生には、脳を騙してでも頑張らなければいけないタイミングもあります。そうした時には、栄養ドリンクは頼もしい味方かもしれません。ですが、その力に毎日のように頼っていると、いつの日か、ぱったり倒れて“帰らぬ人に”なりかねません。
実際にアメリカや日本でも、栄養ドリンクが原因で死亡したと考えられる、突然死や過労死の症例があるそうです。
今、日常的に栄養ドリンクを飲んでいる方は、充分に気をつけてください。次に倒れてしまうのは、あなたかもしれません。