健康診断は、短時間で全身の状態をチェックできて便利ですが、受けただけで安心していませんか?
健康診断は結果を受けてどう行動するかが肝心です。
健康診断を受けて結果が出るまで
一般的な健康診断では、身体測定、視力、聴力のほか、尿検査、血圧、採血、心電図、胸部レントゲンなどが受けられます。
この内容が30分程度で受けられるというのは、とてもお得と言えますね。
健康診断を受けると、1~2か月で結果が分かります。
健康診断の結果は、項目が多数あり、数値が並んでいるので病気と結びつけて考えにくいですが、心臓病、腎臓病、肝臓病、貧血、糖尿病、痛風、骨粗鬆症、高脂血症、動脈硬化など多種の病気の予兆が分かります。
そこで、検査結果の項目と照らし合わせながら、どの病気の可能性があるのか、どうすれば改善できるのかを考えていきましょう。
【血圧】…数値からは、高血圧、低血圧などがわかる
高血圧の場合、血圧を下げるには、食事内容と運動が効果的です。
食事で改善
塩分と脂分、アルコールを控えるだけでも血圧の急上昇が抑えられます。
ビタミン、ミネラルを多く摂ると、血圧が低下していきます。
ところで、塩分が良くないというのは一般的に知られていますが、塩分を摂るとなぜ血圧が上昇するのでしょうか。
塩分を摂ると、血液中のナトリウム濃度が高まり、それを薄めるために血液量が増え、増えた血液が血管を圧迫し、高血圧となるのです。
また、食物繊維も効果的です。食物繊維は、ナトリウムを吸着して体外に排出します。
ですので、塩分を摂るのを控え、食物繊維を摂るように心がけると1カ月程度で血圧が低下してきます。
頃の食事を少し見直すだけでも血圧を正常に保つことができるでしょう。
運動で改善
血圧を正常に保つには軽い運動が最適。
運動後には血圧が低下しますが、運動を毎日することによって安定して数値を低下させることができるのです。
精神安定・気候で改善
血圧は精神状態にも影響を受けます。ストレスや寝不足も血圧上昇の原因となります。
夜はリラックスして十分に睡眠を摂り、翌日にストレスを持ちこさないように。
気候が寒い時期は血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。
暖かくなると血圧は低下するので、寒い時期も体を冷やさないように気をつけて!
【尿検査】…腎臓の病気がわかる
尿たんぱくが陽性の場合は、尿にたんぱく質が混ざっているということになります。
腎臓がたんぱく質を分解できておらず、腎機能に問題があります。
筋トレでプロテインを摂っている人も尿たんぱくが陽性になりがち。。
【尿酸】…痛風の可能性がわかる
尿酸値を下げるには、プリン体を控える、肥満を改善する、水分を摂るなどが効果的です。
【血液一般】…貧血や体内での出血の可能性がわかる
貧血の場合、鉄分不足がおもな原因になります。
ですので、食事に鉄分の多い、ほうれん草、小松菜、レバーなどを積極的に取り入れると、1週間くらいで状態が良くなります。
肉類や魚介類には鉄分が含まれているので、普段の食事でもしっかり摂るようにすると長期的にも症状が改善されるでしょう。
反対に、コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるタンニン、カフェインは鉄分の吸収を阻害するので、貧血を改善したい場合は控えた方が良いでしょう。
【肝機能】…肝臓病の可能性がわかる
肝機能に関しては、アルコールの摂取量に直接影響します。
アルコールを控えるだけでも1週間くらいで数値が改善されます。
普段からアルコールの量が多い人は、適量に抑えることをオススメします。
ビールは500ml、ワインはグラス1杯半(200ml)、日本酒は1合(180ml)が1日の適量。
多く飲んだ後は、数日飲まないようにするなど、調整しながら減らしていきましょう。
そのほか、薬も肝臓に負担がかかります。風邪薬や頭痛薬も控えると、それだけでも肝臓の機能が回復できるでしょう。
【脂質】…高脂血症や心臓などの病気の予兆がわかる
総コレステロールが増えすぎると心臓に負担がかかります。
中性脂肪が高くなると、善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールが増えます。
このような状況になると、血液の循環が悪くなり、体全体の機能に影響します。
改善法は、食事と運動です。
食事で改善
数値が高いということは、食事量が多いと言えます。
食事の量をコントロールし、いつもより少なめにすることで、1カ月程度で数値が改善されてくるでしょう。
食事の内容は、肉より魚がオススメです。
食物繊維を摂ると、腸内の中性脂肪が排出されて効果的です。
反対に、アルコール、菓子類や果物の糖分は中性脂肪の原因となるので摂らないようにしましょう。
運動で改善
軽い運動をすることで、中性脂肪を減らすことができます。
善玉コレステロールを増やす作用もあります。
ただ、問題となる悪玉コレステロールを下げるには、運動だけでは不十分です。
【負荷血糖値】…糖尿病の可能性がわかる
血糖値を下げるには、運動すると筋肉がエネルギー源となる糖を取り込むので血糖値が低下します。
また、運動することでインスリンが活性化し、血糖値が低下するという作用もあります。
運動で血糖値を下げるには、食後30分から1時間後に行うと効果的です。